アウトルックコンサルティング（5596）とブルーイノベーション（5597）のIPO（新規上場）初値結果！

アウトルックコンサルティング（5596）とブルーイノベーション（5597）のIPO（新規上場）初値が付きましたので簡単ではありますがご紹介させて頂きたいと思います。結論から申し上げますと今回もまた二極化となり、1社は公募割れスタートで1社は堅調スタートとなりました。

アウトルックコンサルティング（5596）のIPO初値結果

市場開場直前（8時59分）のこのアウトルックコンサルティング（5596）のフル板の合致点はIPO幹事の引き受け価格となる1,656円（初値売買代金：4.7億円）となっていたので、上下なくそのまま1,656円（初値売買代金：5.3億円）でシンジケートカバー取引に絡んだ初値形成となりました。残念ながら公募割れスタートとなったため、初値売りで-14,400円の損失となります。

シンジケートカバー取引と思われる買いが1,656円に全弾（279,400株）出ていましたので、それらを差し引いた初値形成時の実需買いは1億円にも満たない7,500万程度しかありません。投資ファンドの出口（イグジット）案件への警戒感が露呈されているかのようです。

本来であれば低く寄り付いたため、上値余地もまだあるはずなのですが、弱い銘柄はとことん弱いという法則通り、高値は初値形成後すぐに付けた1,666円とほぼ初値天井、大引けまで公開価格（1,800円）を一度も上回ることなく取引終了となりました。IPO株取得組やIPOセカンダリ参戦組の戻り待ちもあり、明日以降も上値は重そうです。

アウトルックコンサルティング（5596）IPO5分足チャート（2023年12月12日）

終値は初値価格（1,656円）を261円下回る1,395円と安値での取引終了となっており、本日1日の出来高は1,190,000株で、OA含めた公開株数（2,142,200株）の1回転も無く、東証グロース市場の出来高ランキングは22位とトップ10にすら入っていません。

ブルーイノベーション（5597）のIPO初値結果

市場開場直前（8時59分）のこのブルーイノベーション（5597）のフル板の合致点は1,880円（初値売買代金：3.5億円）となっていたので、およそ143円吊り上げられた2,023円（初値売買代金：8.3億円）での初値形成となりました。初値売りで+43,900円の利益となります。IPO株にご当選された方はおめでとうございます。

ただ、公募価格はIPO新ルール「IPOにおける公開価格の設定プロセスの変更」初の仮条件上限（1,320円）に20%上乗せとなる1,584円での決定となり、IPO投資家の注目度も高く、多くの需要を集めたと期待値も高かったものの、フタを開ければ上ブレによる呼び水効果もほぼ無く、やや期待外れな初値形成となりました。

市場コンセンサスよりも低い位置での着地となったため、初値形成後は上値を目指す展開になるかと思いきや、前場11時28分に付けた2,200円を最後に失速、後場もこれといった見せ場なく、最近のIPO銘柄同様に右肩下がりのチャートとなっています。

ブルーイノベーション（5597）IPO5分足チャート（2023年12月12日）

終値は初値価格（2,023円）を124円下回る1,899円と安値での取引終了となっており、本日1日の出来高は5,400,400株で、OA含めた公開株数（857,200株）の6.3回転と商いは活況で、東証グロース市場の出来高ランキングは6位に入っています。1位はQPS研究所（5595）です。

12月6日（水）上場のQPS研究所（5595）が初値後も好調な展開となっていることから、起爆剤となりIPO地合いは追い風の中にあるかと思いましたが、両社ともに初値売買代金はまたしても一桁億円となっていることから、IPO地合いは改善しているのではなく、QPS研究所（5595）だけが宇宙ベンチャーというテーマ性の強い銘柄特有の結果だったと言えそうです。

まだ12月IPOラッシュは11社残っていますが、中には厳しそうな銘柄も複数社あるため、不安が募ります。この調子では今年（2023年）中のIPO地合い回復は厳しいかもしれませんね。