※当記事に成行呼値の禁止の対応策を書いていますので、コメントやメール、LINEなどで個別株の具体的な売却値の質問はお控え下さい。

今年(2023年)3月に東京証券取引所を筆頭に他全国の各証券取引所(札幌証券取引所名古屋証券取引所福岡証券取引所)より2023年6月26日(月)以降にIPO(新規上場)する銘柄について、上場日の売買における成行売呼値及び成行買呼値を禁止(呼値に関する規則第6条)するとの発表がありました。

成行売呼値及び成行買呼値の禁止について

以下画像の通り、基本的にすべてのIPO(新規上場)銘柄が対象となり、6月26日(月)以降ということなので、時期的にはそろそろ対象のIPO案件が出て来そうです。

成行呼値禁止の対象銘柄

成行呼値禁止期間はIPO(新規上場)日以降、初値決定日まで継続されます。初日値付かずとなった際も成行呼値の禁止は翌日に持ち越されます。今ある即金規制に成売り禁止が追加(成買い禁止はもともと規制あり)される形となります。地味な変更ですが、この変更に戸惑ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特に成行買呼値だけでなく、成行売呼値も禁止となると、IPO当選者でこれまで成行売り注文で初値売りをされていた方は指値で注文を出す必要があります。

管理人も基本的にIPOに当選した際は初値売りがマイルールなのでほぼ成行売り注文を出していましたし、サラリーマンの方や何かしらの事情で日中に場を見れない方は朝一成行売り注文を出して出掛けるという方も多く、成行売呼値の禁止は初値売りする方にはやや面倒な規制となります。

とはいえ面倒な規制ではあるものの、普通に回避方法があるので初値売り作業自体の負担は微妙に増えますが、影響は軽微だと思われます。

成行呼値の禁止の簡単な対応策

簡単な回避方法としては上場日前営業日に発表される注文受付価格の範囲の最下限となる公開価格の1/4(25%)で売り注文を出しておけば成行売りと大きくは変わりません。当然ながらそこに売り注文が並ぶと板の見栄えはかなり悪くなりますが。

しかしながらA級銘柄であればそこまで不安を感じることは無いと思いますが、D級銘柄など微妙案件で確実に初値価格で売却したい場合は一番有効な方法かもしれません。

ちなみに注文受付価格の範囲の最下限価格は上場日前営業日に東京証券取引所より発表されますし、当ブログでも上場日前営業日の記事(IPO直前初値予想記事)には掲載させて頂いております。

例えば直近IPOで4月26日(水)上場のRidge-i(5572)では下記の赤枠部分となりますので、438円で売り注文を出しておけば初値が公募価格より上でも下でも初値価格で約定されることになります。

もちろん初日値付かずとなった際はこの限りではありませんので、翌日に再度同じ注文手続きをする必要があります。数値も変わっていますのでご注意下さい。

Ridge-i(5572)IPO(新規上場)気配運用

ただ、ここまで極端な売り注文を出さなくても、面倒な計算が必要ですが、公開価格の3/4(75%)に通常の気配更新1回分を差し引いた価格、上記Ridge-i(5572)で例えると気配下限1,313円に通常の気配更新1回分(1,500円未満の場合は30円)を差し引いた価格1,283円で指値売り注文しておいても成行売りと大きくは変わりません。

※連日「いくらで売り注文を出せば良いのか?」と言ったご質問が届きますが、上記がすべてですので、これ以上のご説明はありません。上記をご自身のIPO当選銘柄に当てはめて頂けますと幸いです。

今回のこの規制「上場日の売買における成行売呼値及び成行買呼値を禁止」は需給が不安定な状況における株価のボラティリティの過度な増幅を抑えることを目的としているとのことですが、どの程度の効果があるのかは現時点では不明です。

個人的に劇的な効果は無いと思っていますが、見た目の影響(注文受付価格の最下限に売りが多数など)による初値抑制の要因ぐらいにはなるでしょうか。

そもそも投資家の好きな方法で株式を売買注文できないというルールはややグレーゾーンのような気もしますが、天下の東証が言うと神の声になるのでしょうかね。もっと他に注力して頂きたいところが多々あるのではないかと思うところです。

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