すでに各証券会社でも管理画面へのログイン時にお知らせなどで案内されており、多くの方がご存知かと思いますが、11月5日(火)から東京証券取引所の取引終了時刻が現行の15時から15時30分まで30分延伸されます。

東京証券取引所現物取引時間変更
日本取引所グループより引用

15時25分から15時30分までの5分間は「クロージング・オークション」となっていますが、このクロージング・オークションというのは、後場のザラバ終了後に、まず注文を受け付ける「プレ・クロージング」の時間を設け、その後で板寄せ(価格調整をして売買を成立させること)を行う仕組みのことを言います。

クロージング・オークション導入イメージ
日本取引所グループより引用

東京証券取引所は今回の取引終了時刻延伸の理由について「市場を巡る環境変化や多様化する投資家のニーズに対応するとともに、市場利用者の利便性や国際競争力、レジリエンスをさらに高めていく観点から」としており、2020年10月1日に起きた大規模システム障害がキッカケだそうです。

この大規模システム障害は伝説のIPOで3日(2日)値付かずとなったヘッドウォータース(4011)の上場最中に起きた出来事なので、IPO愛好家の中には記憶している方も多いのではないでしょうか。伝説中にまた別の伝説が作られたといった感じです。

そしてざっくりとですが、今回のこの取引終了時刻延伸のメリットデメリットを調べてみました。

メリットは投資家にとって取引可能な時間が増えることで取引機会が拡大し、欧州市場の取引時間と重なることで海外投資家の参加が容易になる点などが挙げられており、これにより国内外市場との連携が強化され、取引量の増加による株価の安定や流動性の向上が期待されているようです。

逆にデメリットとしてはシステム運用時間が延びることで運用コストの上昇が予想されるほか、長時間の運用が従業員の負担を増大させる可能性もあります。また、ザラバ中に発表されるニュースなどが株価変動リスクを増幅させる懸念もあるようです。

加えてIPOの新規上場承認発表も今は15時過ぎが一般的にですが、15時30分以降になる可能性が高いため、IPOブロガーは残業が増えることになりそうです^^;

このように取引終了時刻の延長には取引機会や流動性向上などのメリットがある一方で、コスト増や従業員負担、ボラティリティ影響などのデメリットもあるため、IPO愛好家とはいえ、まったく関係ないことはありません。慣れるまでは注意が必要ですね。

今回の取引終了時刻延伸はどのような層にメリットがあるのかわかりませんが、こういったルール変更は迷惑と思われる方が多いように思います。少なくとも個人的には迷惑以外の何者でもありません。IPOルールも成行禁止や上場日可変、仮条件上限突破などの規約変更がありましたが、お上は本当に投資家のことを考えているのかわからないというのが正直なところです。

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