Chordia Therapeutics(4895)がIPO(新規上場)承認発表されましたので、事業内容や考察および初値予想などに関する詳細をご紹介させて頂きます。昨日(8月10日)はIPO新規上場承認発表が1社ありました。Chordia Therapeuticsと書いて「コーディア セラピューティクス」と読みます。
Chordia Therapeutics(4895)の上場日は2023年9月15日(金)で、今のところは単独上場、上場市場はIPO市場では人気の高い東証グロース市場への上場で、IPO主幹事はIPO申し込み時の前受け金が不要の野村證券となっております。
Chordia Therapeutics(4895)のIPO(新規上場)情報
設立:2017年10月12日
業種:医薬品
事業の内容:RNA制御ストレスを標的とするがん治療薬の開発等
上場市場 | 東証グロース |
コード | 4895 |
名称 | Chordia Therapeutics |
公募株数 | 16,666,700株 |
売出し株数 | 0株 |
オーバーアロットメント | 2,500,000株 |
IPO主幹事証券 | 野村證券 |
IPO引受幹事証券 | SBI証券 SMBC日興証券 楽天証券(100%完全抽選) 東海東京証券 岡三証券 岩井コスモ証券 丸三証券 東洋証券 あかつき証券 極東証券 岡三オンライン(委託幹事決定) |
IPO発表日 | 8月10日(木) |
上場日 | 9月15日(金) |
仮条件決定日 | 8月30日(水) |
ブック・ビルディング期間 | 8月31日(木)~9月5日(火) |
公開価格決定日 | 9月6日(水) |
IPO申し込み期間 | 9月7日(木)~9月12日(火) |
上場時発行済株式総数 | 73,110,500株 |
時価総額 | 109.6億円 |
吸収金額 | 28.7億円 |
想定価格 | 150円(15,000円必要) |
今回の募集は簡易型のグローバルオファリングとなるため、公募株式16,666,700株のうちの一部は欧州及びアジアを中心とする海外市場(米国及びカナダ除く)の海外投資家にも販売される予定となっています。国内販売株数及び海外販売株数の最終的な内訳は本募集及び引受人の買取引受による売出しの需要状況等を勘案した上で、公開価格決定日9月6日(水)に決定されます。
そしてこのChordia Therapeutics(4895)のIPO幹事団(シンジケート)の中には岡三証券入っているため、グループ会社となる岡三オンラインがIPO委託幹事(裏幹事)に入る可能性が高いです。
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Chordia Therapeutics(4895)のIPO(新規上場)事業内容等
Chordia Therapeutics(4895)は新規抗がん薬の上市を目指して研究開発を行う創薬ベンチャー企業で、主な事業内容は未だに満たされていない医療ニーズ(アンメットメディカルニーズ)の高いがん領域で、これまでになかった新しい作用機序を有する低分子の画期的医薬品(ファーストインクラス)の研究開発を行っています。
ビジネスモデルはChordia Therapeutics(4895)がマネジメントと研究業務(探索研究、前臨床研究、臨床研究)、特に候補化合物の探索、評価、最適化、臨床試験に集中し、外部協力先が得意な業務、中でも基礎研究や原薬や製剤の製造や製剤、販売などは各外部協力先に委託するという形を取っています。
【手取金の使途】
手取概算額2,277百万円については、海外販売の手取概算額(未定)及び第三者割当増資の手取概算額上限345百万円と合わせ、運転資金としてCTX-712(CLK阻害薬)にかかる開発費等に充当する予定であります。
具体的には、現在、米国で進めている再発難治性の血液がんの第1/2相臨床試験ついて、第2相からは日本も参加する計画となるため、その実施費用(治験薬製造費用と開発業務委託費用等)として2,500百万円(2024年8月期に1,000百万円、2025年8月期に1,000百万円、2026年8月期に500百万円)を充当する予定であります。
また、残額については運転資金として、CDK12阻害薬であるCTX-439の臨床試験開始に向けた準備等の研究開発費に充当する予定であります。なお、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用する方針であります。
Chordia Therapeutics(4895)のIPO初値予想主観及びIPO参加スタンス
Chordia Therapeutics(4895)の市場からの吸収金額はIPO想定価格150円としてオーバーアロットメント含め28.7億円と規模的に東証グロース市場への上場としては中型サイズとなり、やや荷もたれ感のある水準となります。IPO株数は売り出し株無しの公募株のみで166,667枚と多めにありますが、簡易型のグローバルオファリングとなるため、海外投資家への販売もあります。
上述の通りChordia Therapeutics(4895)の事業内容はRNA制御ストレスを標的とするがん治療薬の開発等ということで、がん領域の研究開発に特化した創薬系のバイオベンチャーです。RNA制御ストレスを標的とするがん治療は未だ十分に確立されておらず、このRNA制御ストレスに焦点を当てた研究開発を行っています。
RNA制御ストレスとは細胞内でRNAを生成する過程に乱れが生じ、異常なRNAが蓄積し、それが細胞へ負荷をかけている状態のことを言い、特にがん細胞ではRNAを生成する複数の過程が乱れ、正常細胞に比べてがん細胞では過剰に負荷がかかっている状態です。Chordia Therapeutics(4895)のRNAを生成する過程のイメージ図は以下の通りです。
Chordia Therapeutics(4895)の筆頭株主は武田薬品工業株式会社となり、武田薬品工業株式会社が研究体制を再編するためにスピンアウト(会社の一部門を切り離して独立させること)した会社で、元武田薬品工業株式会社の研究者6人によって設立されています。
株主の中にはベンチャーキャピタルの保有株が11社38,195,400株ありますが、今回のIPO(新規上場)に際する売り出しでの放出はありません。既存の上位株主及びベンチャーキャピタルには解除価格無しで90日間の任意ロックアップ及び6カ月間継続所有確約の制度ロックアップが掛かっていますが、ベンチャーキャピタル11社のうちの9社30,616,000株については公開価格の1.5倍となればロックアップ解除され売却可能となります。
Chordia Therapeutics(4895)はがん領域の研究開発に特化した創薬系のバイオベンチャーで将来への期待値の高い事業を行っています。社歴は設立2017年10月とまだ浅いものの、業績は小野薬品工業株式会社と締結したライセンス契約に基づく開発マイルストーンによる売上が33億円(うち契約一時金が8億円)あり、今後も開発の進捗や売上に応じたマイルストーンとして最大496億円を受領する予定となっています。
今回の募集株の内訳は売り出し株無しの公募株のみで、公開規模はIPO想定価格(150円)ベースで28.7億円とやや荷もたれ感のあるサイズとなりますが、簡易型のグローバルオファリングとなるため、海外投資家への販売もあり、単価も150円と個人投資家が買いやすい低単価設定となっています。
中身はIPO愛好家や短期筋からは警戒されやすいバイオベンチャーとなりますが、スケジュールや地合いによってはそれほど悪い結果になるようなことは無さそうに見えるというのが個人的な第一印象です。なので中途半端な評価とはなりますが、ひとまずの初値評価はC級評価寄りのD級評価と言ったところが妥当に思えます。
いずれにしてもこういった専門性の高いバイオ系のIPO参加スタンスは素人では決めるのが難しいため、現時点での管理人の個人的なこのChordia Therapeutics(4895)のIPO参加スタンスは中立で、今後の仮条件設定や大口(機関投資家、海外投資家)の評価、そして大手初値予想会社の見解などを見てから決めたいと思います。
Chordia Therapeutics(4895)のIPO(新規上場)業績等
Chordia Therapeutics(4895)のIPO経営指標
Chordia Therapeutics(4895)IPO事業収益及び経常損益
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