Finatextホールディングス(4419)がIPO新規上場)承認発表されましたので、事業内容や考察および初値予想などに関する詳細をご紹介させて頂きます。昨日(11月16日)IPO新規上場承認発表があった3社のうちの最後の1社となります。「Finatext」と書いて「フィナテキスト」と読みます。

IPO新規上場承認発表3社2021.11.15

すでに3社中の2社、湖北工業(6524)とライフドリンク カンパニー(2585)については下記記事にてご紹介させて頂いておりますので、よろしければご覧下さいませ。

Finatextホールディングス(4419)の上場日は12月22日(水)で、増えるとは思いますが今のところは単独上場、上場市場はIPO市場では人気の高い東証マザーズ市場への上場で、IPO主幹事もIPO愛好家人気の高い大和証券三菱UFJモルガン・スタンレー証券の2社共同主幹事となっております。

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Finatextホールディングス(4419)のIPO(新規上場)情報

設立:2013年12月27日
業種:情報・通信業
事業の内容:証券・保険ビジネス向けクラウド基幹システムの提供及びデータ解析・サービス開発支援

Finatextホールディングス(4419)IPO上場承認

上場市場東証マザーズ
コード4419
名称Finatextホールディングス
公募株数2,800,000株
売出し株数12,675,700株
オーバーアロットメント2,321,200株
IPO主幹事証券大和証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
IPO引受幹事証券松井証券前受け金不要
あかつき証券
楽天証券100%完全抽選
岩井コスモ証券
マネックス証券100%完全抽選
大和コネクト証券委託幹事
auカブコム証券委託幹事
STREAM(ストリーム)委託幹事
IPO発表日11月16日(火)
上場日12月22日(水)
仮条件決定日12月3日(金)
ブック・ビルディング期間12月6日(月)~12月10日(金)
公開価格決定日12月13日(月)
IPO申し込み期間12月15日(水)~12月20日(月)
時価総額628.9億円
吸収金額229.5億円
想定価格1,290円(129,000円必要)

売出株式12,675,700株のうちの一部は欧州及びアジアを中心とする海外市場(米国及びカナダ除く)の海外投資家にも販売される予定となっており、国内販売株数及び海外販売株数の最終的な内訳は本募集及び引受人の買取引受による売出しの需要状況等を勘案した上で、売出価格決定日12月13日(月)に決定されます。

そしてこのFinatextホールディングス(4419)のIPO主幹事は大和証券となっていることから、グループ会社となるCONNECTコネクト)のIPO委託幹事(裏幹事)入りがすでに決定しています。大和証券主幹事案件なので期待値が上がってしまいますね。

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Finatextホールディングス(4419)IPO大和コネクト証券

さらにもう1社のIPO主幹事が三菱UFJモルガン・スタンレー証券となっていることから、グループ会社となるauカブコム証券IPO委託幹事(裏幹事)入りとなる可能性が高いです。

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Finatextホールディングス(4419)のIPO(新規上場)事業内容等

Finatextホールディングス(4419)はグループ会社で、株式会社Finatextホールディングス及び連結子会社7社で構成されており、証券・保険ビジネス向け次世代クラウド基幹システム「金融インフラストラクチャ」の提供を中心に、優れた顧客体験を備えたフロントエンドサービスの企画・開発を支援する「フィンテックソリューション」、顧客企業内に蓄積されたデータの利活用を支援する「ビッグデータ解析」サービスを提供しております。

Finatextホールディングス(4419)IPOセグメント概要

これらが一体となって、顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現し、顧客のサービス品質の向上、収益の拡大、効率性の向上を支援しております。

金融インフラストラクチャ事業

<証券インフラストラクチャビジネス「BaaS」>
「BaaS」は証券業務と証券サービスにかかるウェブサイトやモバイルアプリ等のフロントエンドサービスの構築に必要となる機能を提供するソフトウェアです。「BaaS」を利用することで、パートナー企業は、独自開発時に比べて初期投資額を最大80%~90%削減することができ、企画からサービス開始までの期間も半分以下に短縮することが可能である点が特徴です。
Finatextホールディングス(4419)IPO証券インフラストラクチャビジネス「BaaS」

<保険インフラストラクチャビジネス「Inspire」>
「Inspire」は保険業務と保険サービスにかかるウェブサイトやモバイルアプリ等のフロントエンドサービスの構築に必要となる機能を提供するソフトウェアです。 新しい保険商品を低コスト、短納期で追加することができる他、保険商品の契約から保険金支払いまでの全てのプロセスをオンライン上で完結できることが特徴です。
Finatextホールディングス(4419)IPO保険インフラストラクチャビジネス「Inspire」

フィンテックソリューション事業

<ソリューションビジネス>
金融機関に対して、金融サービスにかかるウェブサイトやモバイルアプリ等のフロントエンドサービスの開発やモジュール化されたソリューションの提供を行っており、顧客の要件に迅速に対応するだけでなく、ニーズに合わせてビジネス企画から開発、マーケティングまで幅広いサービスを通じて、金融機関のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援しております。

<マーケティングビジネス>
金融関連サービスに関心を持つ潜在層ユーザー向けに、金融に関する学習、デモトレーディング等のゲーミフィケーションや金融商品サービスの比較を行うことができるサービスを提供しております。
Finatextホールディングス(4419)IPOフィンテックソリューション事業

ビッグデータ解析事業

<データライセンスビジネス>
企業が保有するPOSデータやクレジットカードデータ等のビッグデータを解析し、解析結果をライセンスデータとして官公庁や国内外の金融機関に販売しております。
Finatextホールディングス(4419)IPOビッグデータ解析事業


※上記動画再生時は音が出ますので音量にご注意下さい。

【手取金の使途】
手取概算額3,581百万円及び第三者割当増資の手取概算額上限1,490百万円については、①事業拡大に係る運転資金、②関連会社投融資資金、③借入金の返済、④設備資金に充当する予定であります。
なお、上記使途以外の残額は、将来における当社の成長に寄与する支出又は投資に充当する方針でありますが、当該内容等について具体化している事項はなく、具体的な資金需要が発生し、支払時期が決定するまでは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。
(FinatextホールディングスのIPO目論見書より一部抜粋)

Finatextホールディングス(4419)のIPO初値予想主観及びIPO参加スタンス

Finatextホールディングス(4419)の市場からの吸収金額はIPO想定価格1,290円としてオーバーアロットメント含め229.5億円と規模的に東証マザーズ市場への上場としては大型サイズとなり、荷もたれ感を感じる水準となります。IPO株数は公募株及び売り出し株合わせて154,757枚と多くありますが、海外投資家への販売もあります。

上述の通りFinatextホールディングス(4419)の事業内容は証券・保険ビジネス向けクラウド基幹システムの提供及びデータ解析・サービス開発支援ということで、多様なライフスタイルに合わせた金融サービスの開発を行っており、デジタル技術とデータを最大限活用した生活に寄り添う身近な金融サービスを展開しています。

証券や保険などの金融サービスを展開するためのクラウドインフラとデータ解析基盤を事業者に提供し、自社の顧客に最適な金融サービスをより低コストかつ迅速に、拡張性のあるインフラ上で提供することができます。IPO市場ではフィンテック領域をDX(デジタルトランスフォーメーション)支援する金融ENABLERとして人気化しそうな案件です。

Finatextホールディングス(4419)IPO金融サービス仕組み

Finatextホールディングス(4419)の今回のIPO新規上場)に際する募集株の内訳は公募株2,800,000株に対して売り出し株12,675,700株で売り出し比率4.5倍、その売り出し株のうち7,911,700株(62.4%)をベンチャーキャピタルが放出することになることから、一定の出口(イグジット)感があります。

業績は売上は順調に伸ばしていますが、収益は逆行して赤字が続いています。これまでこのセクターは赤字がある程度許容されており、人気業態であれば成長性が評価され、海外投資家からの積極的な買いも入っていました。しかしここ数カ月は赤字の人気業態が許容されにくくなっており、目線が厳しくなっているような雰囲気を感じます。

公開規模が東証マザーズ上場でIPO想定価格(1,290円)ベースで229.5億円規模となると大口(海外投資家、機関投資家)の参戦が必須となります。これまでこの手の業態は海外投資家人気が高く、ごっそり配分を持って行ってしまっていましたが、最近の傾向を鑑みるとそう甘い展開になるとは限りません。

海外投資家がごっそり持って行けば堅調なスタートになると思いますが、逆に海外配分が少なくなる(人気が無い)ようなことがあれば規模的にも雲行きが怪しくなってしまいそうです。IPOラッシュ期の中での上場ということもありますが、いずれにせよ初値は大口(海外投資家、機関投資家)の動向次第となります。現時点ではこの大口動向がわからないため、ひとまずの初値評価は上下に振れるようにC級評価あたりで設定しておきたいと思います。

よってとりあえず現時点での管理人の個人的なこのFinatextホールディングス(4419)のIPO参加スタンスは中立で、まずは大口(海外投資家、機関投資家)の反応、そして大手初値予想会社の見解などを見てから再考したいと思います。

仮に良い評価が出てくればIPO主幹事は大和証券三菱UFJモルガン・スタンレー証券で、特に三菱UFJモルガン・スタンレー証券はIPO愛好家に優しい証券会社となるため、それなりに期待できそうな気がしますね。

Finatextホールディングス(4419)のIPO(新規上場)業績等

Finatextホールディングス(4419)のIPO経営指標
Finatextホールディングス(4419)IPO経営指標

Finatextホールディングス(4419)のIPO売上高及び経常損益
Finatextホールディングス(4419)IPO売上高及び経常損益

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