インフォメティス（5030）IPO上場承認発表と初値予想！AIで価値を導くエナジーインフォマティクス事業！

インフォメティス（5030）がIPO（新規上場）承認発表されましたので、事業内容や考察および初値予想などに関する詳細をご紹介させて頂きます。昨日（3月18日）IPO新規上場承認発表があった3社のうちの最後の1社です。

すでにフルハシEPO（9221）とASNOVA（9223）のIPO詳細については下記記事にてご紹介させて頂いておりますので、よろしければご覧下さいませ。

インフォメティス（5030）の上場日は2022年4月25日（月）で、今のところは単独上場、上場市場は東証グロース市場（市場再編後の新興市場）への上場で、IPO主幹事は可もなく不可もなくのみずほ証券となっております。

インフォメティス（5030）のIPO（新規上場）情報

設立：2013年4月8日
業種：情報・通信業
事業の内容：エナジー・インフォマティクス事業（独自の電力センサーの開発・販売、データマイニング、エネルギーデータ等を利活用するための独自IoTデータプラットフォーム及びアプリケーションの提供並びにエネルギーデータ等を利活用した新サービスの創出）

公募株式1,040,000株のうちの一部は欧州及びアジアを中心とする海外市場（米国及びカナダ除く）の海外投資家にも販売（半数未満）される予定となっており、国内販売株数及び海外販売株数の最終的な内訳は本募集及び引受人の買取引受による売出しの需要状況等を勘案した上で、発行価格決定日4月15日（金）に決定されます。

売出株式2,695,400株のうちの一部は欧州及びアジアを中心とする海外市場（米国及びカナダ除く）の海外投資家にも販売（半数未満）される予定となっており、国内販売株数及び海外販売株数の最終的な内訳は本募集及び引受人の買取引受による売出しの需要状況等を勘案した上で、売出価格決定日4月15日（金）に決定されます。

この幹事構成ではIPO委託幹事（裏幹事）は無さそうですね。

インフォメティス（5030）のIPO（新規上場）事業内容等

インフォメティス（5030）はグループ会社で、インフォメティス株式会社、連結子会社（Informetis Europe Ltd.）及び関連会社（株式会社エナジーゲートウェイ）の3社で構成され、エネルギーデータを利活用することで生活の質を向上させながらエネルギーの効率的利用を目指す企業向けに「エナジー・インフォマティクス事業」を展開しています。

インフォメティス（5030）のエナジー・インフォマティクス事業は電力センサー等から得られるエネルギーデータ等をIoTデータプラットフォームに収集、IoTデータプラットフォームに蓄積されたエネルギーデータ等を独自のAI（人工知能）で解析し、エネルギー最適化・脱炭素に貢献する価値あるデータに加工、価値あるデータを各種アプリケーションによって可視化することによって電力利用効率を最適化するIoTデータプラットフォームをSaaS型で提供しています。

※上記動画再生時は音が出ますので音量にご注意下さい。

【手取金の使途】
差引手取概算1,084,300千円及び本募集における海外販売の手取概算額（未定）については、①当社グループの事業拡大のため新技術・事業開発に関する費用として214,300千円（2023年3月期に80,300千円、2024年3月期に84,000千円、2025年3月期に50,000千円）、②新技術・事業開発を迅速に実行していくため採用費及び人件費として150,000千円（2023年3月期に50,000千円、2024年3月期に50,000千円、2025年3月期に50,000千円）、③人員増に必然的に伴う本社オフィス増床又はオフィス移転に関する費用として100,000千円（2025年3月期100,000千円）、④事業拡大を支える部品の安定確保のための費用として250,000千円（2023年3月期150,000千円、2024年3月期100,000千円）、⑤さらなる事業拡大のため当社連結子会社であるInformetis Europe Ltd.への投融資資金を通じた欧州各国での新規事業に関する費用として270,000千円（2023年3月期270,000千円）、⑥財務体質の安定化を図るため借入金返済として100,000千円（2023年3月期100,000千円）を充当する予定であります。
なお、上記調達資金につきましては、実際の充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用する方針であります。
（インフォメティスのIPO目論見書より一部抜粋）

インフォメティス（5030）のIPO初値予想主観及びIPO参加スタンス

インフォメティス（5030）の市場からの吸収金額はIPO想定価格1,150円としてオーバーアロットメント含め49.4億円と規模的に東証グロース市場への上場としては中型サイズとなりますが、今の環境ではかなり荷もたれ感を感じる水準となります。IPO株数は公募株及び売り出し株合わせて37,354枚と多めにありますが、海外投資家への販売もあります。

上述の通りインフォメティス（5030）の事業内容は独自の電力センサーの開発・販売、データマイニング、エネルギーデータ等を利活用するための独自IoTデータプラットフォーム及びアプリケーションの提供並びにエネルギーデータ等を利活用した新サービスの創出を行うエナジー・インフォマティクス事業ということで、最先端のAI（人工知能）技術でエネルギーデータの価値を導き、持続可能な地球づくりと人々の豊かな暮らしの両立の実現を目指す企業となります。

インフォメティス（5030）は最先端AI（人工知能）によるエネルギーデータのフル活用のための分析エンジン「Metis Engine」、0→1の事業創出を支えるエネルギーアプリケーション「Metis App」、データ収集から始めて分析機能が進化するプラットフォーム「Metis Cloud」、次世代エネルギーデータインフラの先駆けとなるデバイス「Metis Device」の4つに分類されるプロダクトを提供しており、これらを用いてエネルギーデータから多様な価値を創出することを「エナジーインフォマティクス」と呼称しているようです。

筆頭株主はジャフコ系のベンチャーキャピタルとなっており、他にも多くのベンチャーキャピタルの保有株が散見され、およそ357万株ほどあります。今回のIPO（新規上場）に際する売り出しで約270万株放出するものの、まだ87万株が残ります。解除価格無しで90日間及び180日間のロックアップが掛かっているため、基本的に上場時に売却はできません。

しかしながら今回の募集株の内訳は公募株1,040,000株に対して売り出し株2,695,400株と売り出し比率は約2.6倍、売り出し放出人はすべてベンチャーキャピタルとなることから出口（イグジット）色が強く、オーバーアロットメントを含めたオファリング・レシオはおよそ88.0%と高くかなりの危険水準となります。

海外販売のあるIT系IPOは安パイ説もすでに壊れており、まだまだ不安定な相場でこの規模のIPOを持って来る勇者はもちろんみずほ証券です。ベンチャーキャピタルにお尻でも叩かれたかのようで、先日上場中止（延期）となったAnyMind Group（5027）が頭を過ります。あ、このIPO案件の主幹事もみずほ証券ですね＾＾；

売上は堅調に推移しているものの目立った伸びはなく収益は赤字、ベンチャーキャピタルの出口（イグジット）色が強い中型グロース株ということで、危険臭がプンプン漂ってきます。海外投資家への配分割合次第ということになるかもしれませんが、ひとまずの初値評価はD級評価が妥当でしょうか。

よって現時点での管理人の個人的なこのインフォメティス（5030）のIPO参加スタンスはスルーとなる可能性が高そうです。今後上場するIPO案件次第ということにはなりますが、初値買いに入る資金が極少過ぎたり、初値自体が弱いなど、IPO地合いが悪ければ、これまた上場中止（延期）コースとなりそうな雰囲気を感じるIPO案件です。

インフォメティス（5030）のIPO（新規上場）業績等

インフォメティス（5030）のIPO経営指標

インフォメティス（5030）のIPO売上高及び経常損益