2020年3月から4月に掛けてIPO新規上場)市場は新型コロナウイルス感染症の拡大で上場中止(延期)を余儀なくされた企業が相次ぎました。この上場中止(延期)件数は先日の記事でも書きました通りブックビルディング制度が導入された1997年9月以降、過去最大件数となっています。

そこで読者様より上場中止(延期)は誰がどのように決めているのかなどのご質問が増えたことから、IPO(新規上場)株の想定価格決定から公開価格決定までの流れをまとめたページがあればわかりやすかと思い作成してみました。

実際管理人も知らなかった部分も多くあり、各証券会社の公式サイトや様々な個人系投資サイト、Wikipediaなどを参考にさせて頂き、IPO想定価格の決定からIPO公開価格の決定までの流れをよりわかりやすく簡易的にまとめているつもりです。

IPO株の公開価格決定までの流れ

IPO想定価格の決定(決定者:主幹事)

主幹事がIPO新規上場)する企業の純資産、利益、PER(株価収益率)等の指標及び将来性などを元にすでにIPO(新規上場)している同業他社の水準などと比較して適正と考えられる株価(想定価格)の算出を行います。

とは言うものの実質的にはまだ未上場のため実情報が不足していることから株価(想定価格)は低く設定される傾向が一般的となっています。これがIPOディスカウントと言われる所以でしょうか。この想定価格の決定者は主幹事です。

IPO仮条件の決定(決定者:主幹事)

証券用語ではロードショーまたはディスクロージャーと呼ばれ、実際にIPO新規上場)する企業の代表者が財務担当者などと同行し、株価算定能力に長けている複数の機関投資家を直接訪問し、目論見書などを用いて自社の事業内容などについての会社説明を行い、そのあと主幹事が会社説明を受けた機関投資家から妥当価格などの聞き取り調査を行い仮条件(下限~上限)が設定されます。

ロードショーは基本的に1日3社~5社程度の機関投資家を相手に1週間~2週間程度の直接訪問をほぼ毎日続けて行われるらしく、企業の代表者にとってはかなりのハードスケジュールのようです。

この仮条件の決定者は基本的に主幹事ですが、今回(コロナショック)のように何かしらの要因で環境が悪くなれば市況状況や機関投資家の意見を参考に主幹事はIPO(新規上場)する企業に対して仮条件の引き下げ行うなど今後の動向に関する提案を行います。これらのことからIPO仮条件決定が上場中止(延期)の第一関門となり、2020年3月から4月に掛けて上場中止(延期)を発表した企業はこの段階がほとんどです。

IPO公開価格の決定(決定者:企業と主幹事)

IPO仮条件の範囲内でIPO新規上場)株の購入を希望する投資家(機関投資家、個人投資家)の注文から価格と数量の申告内容を主幹事がまとめて需要調査を行い、IPO(新規上場)する企業に報告協議の上、公開価格が決定されます。この公開価格の決定者はIPO(新規上場)する企業と主幹事です。

この価格決定方式を「ブックビルディング方式(需要積み上げ方式)」と呼び1997年9月以降に導入された方式となります。そして需要調査を参考にして主幹事証券会社がIPO幹事団(シンジケート)を構成する各証券会社の引き受け株数の決定を行います。

以上がIPO(新規上場)株の想定価格決定から公開価格決定までの一連のおおまかな流れとなります。一応見直しはしていますが、もしかすると間違っている内容があるかもしれませんし、まだ抜けていることや説明不足な点もあるかと思いますので、新情報入手や読者様情報などを頂けました際は随時追記して行こうと思います。どしどしお手柔らかにご連絡下さいませ^^;

なお、当記事は一つのコンテンツとしてサイドバーに置いておきますので、今後のご参考になれば幸いです。

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