サンクゼール(2937)がIPO新規上場)承認発表されましたので、事業内容や考察および初値予想などに関する詳細をご紹介させて頂きます。昨日(11月17日)IPO新規上場承認発表があった5社のうちの3社目となります。

IPO新規上場承認発表5社2022.11.17

当記事はサンクゼール(2937)のIPO詳細記事となりますが、残り4社のうちの2社のアイズ(5242)とnote(5243)のIPO詳細についてはすでに下記記事にてご紹介させて頂いており、残る2社のとコーチ・エィ(9339)jig.jp(5244)のIPO詳細についてはまた後ほど別記事にて1社づつご紹介させて頂きます。記事が出来上がりましたら上記社名テキスト部にもそれぞれリンク致します。

サンクゼール(2937)の上場日は2022年12月21日(水)で、アイズ(5242)とnote(5243)と3社同日上場、上場市場はIPO市場では人気の高い東証グロース市場への上場で、IPO主幹事もIPO愛好家人気の高いSMBC日興証券となっております。

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サンクゼール(2937)のIPO(新規上場)情報

設立:1982年6月1日
業種:食料品
事業の内容:久世福商店などの自社ブランドを中心とした加工食品を直営、FC、ホールセール、EC及びグローバルの複数の販売チャネルを通して販売する食品製造販売業

サンクゼール(2937)IPO上場承認

上場市場東証グロース
コード2937
名称サンクゼール
公募株数1,200,000株
売出し株数1,410,000株
オーバーアロットメント391,500株
IPO主幹事証券SMBC日興証券
IPO引受幹事証券野村證券(前受け金不要
SBI証券
みずほ証券(前受け金不要
岡三証券
八十二証券
松井証券前受け金不要
楽天証券100%完全抽選
岡三オンライン委託幹事
IPO発表日11月17日(木)
上場日12月21日(水)
仮条件決定日12月5日(月)
ブック・ビルディング期間12月6日(火)~12月12日(月)
公開価格決定日12月13日(火)
IPO申し込み期間12月14日(水)~12月19日(月)
上場時発行済株式総数8,840,000株
時価総額137.0億円
吸収金額46.5億円
想定価格1,550円(155,000円必要)

売出株式1,410,000株のうちの一部は欧州及びアジアを中心とする海外市場(米国及びカナダ除く)の海外投資家にも販売される予定となっており、国内販売株数及び海外販売株数の最終的な内訳は本募集及び引受人の買取引受による売出しの需要状況等を勘案した上で、売出価格決定日12月13日(火)に決定されます。

そしてこのサンクゼール(2937)のIPO幹事団(シンジケート)の中には岡三証券が入っていることから、グループ会社となる岡三オンラインIPO委託幹事(裏幹事)となる可能性が高いです。

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サンクゼール(2937)のIPO(新規上場)事業内容等

サンクゼール(2937)はワイン、ジャム、パスタソースなどの商品を取り扱う「サンクゼール」ブランドと「ザ・ジャパニーズ・グルメストア」をコンセプトに全国のうまいもの、こだわりの食材を取り扱う「久世福商店」及び米国を中心としたグローバル展開を目的とする「Kuze Fuku & Sons」の3つの商品ブランドを持ち、日本全国に155店舗(2022年10月末時点)の自社店舗(直営54店舗、FC101店舗)を有する食のSPAを展開する食品製造販売事業を行っています。

サンクゼール(2937)IPO事業内容

サンクゼール

創業者である久世良三がペンションを営んでいた頃に朝食のために作っていた手作りジャムが当ブランドの原点となっており、主要な取扱商品は、自社製造のワイン、ジャム、パスタソース、ドレッシングなど洋食材を中心とするブランドであり、豊かな食卓を彩る商品を取り揃えております。

久世福商店

商品の魅力だけでなく、生産者の人柄まで掘り下げることによって、独自性の高い商品を開発しております。各地の食品メーカーによるOEM商品が多くを占めていますが、ほとんどの商品に久世福商店のオリジナルパッケージを付け、各商品の素材選定や味付けを当社と各メーカーとの共同開発により行っており、高品質でおいしいと感じられる商品に仕上げることができております。

Kuze Fuku & Sons

米国子会社であるSt.Cousair,Inc.で作った商品を久世福商店のブランドとして、米国内及び日本国内で展開するために、米国発の第3の商品ブランドとして誕生いたしました。主要な取扱商品は、St. Cousair, Inc.で作られるドリンクベース、飲む酢、ドレッシング、ジャムに加えて、日本から輸入する自社製品及び仕入商品であります。

【手取金の使途】
手取概算額1,694百万円については、①設備投資として659百万円、②新店開業敷金・運転資金として52百万円、③人件費として261百万円、④マーケティング関連として202百万円、⑤借入金の返済及び社債の償還として520百万円に充当する予定であります。
また、上記調達資金は、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。
(サンクゼールのIPO目論見書より一部抜粋)

サンクゼール(2937)のIPO初値予想主観及びIPO参加スタンス

サンクゼール(2937)の市場からの吸収金額はIPO想定価格1,550円としてオーバーアロットメント含め46.5億円と規模的に東証グロース市場への上場としては中型サイズとなり、やや荷もたれ感のある水準となります。IPO株数は公募株及び売り出し株合わせて26,100枚と多めにありますが、海外投資家への販売もあります。

上述の通りサンクゼール(2937)の事業内容は久世福商店などの自社ブランドを中心とした加工食品を直営、FC、ホールセール、EC及びグローバルの複数の販売チャネルを通して販売する食品製造販売業ということで、ヨーロッパの食卓をブランドコンセプトにしたこだわりの商品を全国で販売しています。

サンクゼール(2937)IPO相互マーケティング

サンクゼール(2937)の本店は人口わずか1万人の長野県上水内郡飯綱町と言う小さな町の丘の上にあり、およそ3,000坪ある敷地内には食事やワインが楽しめるガーデンテラスやレストラン、本格的なチャペルも並び、年間12万人もの人が訪れる人気の観光スポットとなっているようです。


※上記動画再生時は音が出ますので音量にご注意下さい。

一方で、ウィキペディア(Wikipedia)によると、2017年12月から2019年7月の間、食品製造の下請事業者に対し、商品を納める物流センターの運営に関する費用として、下請け代金の一部から差し引く契約に一方的に変更し、2020年に公正取引委員会より下請法違反で再発防止の勧告を受けたという黒歴史もあるようです。

サンクゼール(2937)の株主の多くは長野県の方でベンチャーキャピタル投資ファンドの保有株はありません。創業1979年の老舗企業で今さら上場感は否めない上に、なぜか老舗企業に限って3月や12月のようなIPOラッシュ期に上場を選ぶ傾向があります。閑散期を選んだ方が企業にとっても何かと良いと思うのですが、何かしらこの時期に上場しないといけない理由でもあるのでしょうかね。上場市場もどちらかと言うと東証グロース市場ではなく、東証スタンダード市場のような気がします。

サンクゼール(2937)は知名度もあり、業績規模も大きいことから大口(機関投資家、海外投資家)の参戦はそれなりに期待できそうですが、IPO市場では不人気業態となる食料品(小売業?)で、公開規模もIPO想定価格(1,550円)ベースで46.5億円と中規模サイズ、上場日も12月21日(水)で、アイズ(5242)とnote(5243)と3社同日上場と過密スケジュールになることから個人投資家の目は他の2社に向きそうです。初値評価はD級評価が妥当でしょうか。

よってとりあえず現時点での管理人の個人的なこのサンクゼール(2937)のIPO参加スタンスは中立で、今後の地合いはもちろんのこと仮条件設定や海外投資家の人気度合い、そしてやはり大手初値予想会社の見解を見てから本格的にIPO参加スタンスを決めたいと思います。

サンクゼール(2937)のIPO(新規上場)業績等

サンクゼール(2937)のIPO経営指標
サンクゼール(2937)IPO経営指標

サンクゼール(2937)のIPO売上高及び経常利益
サンクゼール(2937)IPO売上高及び経常利益

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