コージンバイオ(177A)がIPO(新規上場)承認発表されましたので、事業内容や考察および初値予想などに関する詳細をご紹介させて頂きます。昨日(3月22日)もIPO新規上場承認発表が1社あり、これで4月IPOは6社となりました。
事前情報で4月のIPO社数は4社~5社程度と聞いており、やや少ない印象だったので、当初予定より増えてくれるのはIPO愛好家としてはやはり嬉しいですね。
コージンバイオ(177A)の上場日は変更可能タイプの2024年4月25日(木)~5月2日(木)で、最短日程(4月25日)で決まったとしても、今のところは単独上場、上場市場はIPO市場では人気の高い東証グロース市場への上場で、IPO主幹事はIPO申し込み時の前受け金が不要の野村證券となっております。
コージンバイオ(177A)のIPO(新規上場)情報
設立:1981年4月20日
業種:化学
事業の内容:培地(微生物や細胞の培養に用いる生育環境のこと)の開発・製造・販売及び細胞加工物の製造受託
上場市場 | 東証グロース |
コード | 177A |
名称 | コージンバイオ |
公募株数 | 850,000株 |
売出し株数 | 0株 |
オーバーアロットメント | 127,500株 |
IPO主幹事証券 | 野村證券 |
IPO引受幹事証券 | みずほ証券 SMBC日興証券 むさし証券 SBI証券 |
IPO発表日 | 3月22日(金) |
上場日 | 4月25日(木)~5月2日(木) |
仮条件決定日 | 4月5日(金)~4月11日(木) |
ブック・ビルディング期間 | 最短4月9日(火)~最長4月19日(金) |
公開価格決定日 | 4月16日(火)~4月22日(月) |
IPO申し込み期間 | 最短4月17日(水)~最長4月26日(金) |
上場時発行済株式総数 | 5,015,000株 |
時価総額 | 92.2億円 |
吸収金額 | 17.9億円 |
想定価格 | 1,840円(184,000円必要) |
このIPO幹事団(シンジケート)構成ではIPO委託幹事(裏幹事)は無さそうです。
コージンバイオ(177A)のIPO(新規上場)事業内容等
コージンバイオ(177A)はグループ会社で、コージンバイオ株式会社、国内連結子会社(エンバイオ株式会社)1社、海外連結子会社(孝仁生物控股(香港)有限公司、高金生物科技(上海)有限公司)2社及び持分法適用関連会社(味の素コージンバイオ株式会社)1社の計5社で構成されており、細菌検査用培地、体外診断用医薬品、細胞培養用培地の製造・販売、及び細胞加工の受託を主な事業としています。
組織培養事業では、ヒト、動物、昆虫などの細胞を増殖させることを目的とした細胞培養用培地の開発・製造・販売をしております。細胞培養用培地は、アミノ酸、ビタミン、脂肪酸、微量金属、無機塩などから構成される溶液で、ヒトや動物の血液成分であるウシ血清(FBS)などを添加して使用する基礎培地と血清の添加を必要としない無血清培地に分類することができます。
微生物事業では、感染症や食品汚染の原因となる微生物を特定するための製品の開発と製造・販売を行っています。目に見えない微小な微生物を特定するためには、微生物に由来する物質を着色したり、微生物そのものを増殖させたりして、人が視覚的に確認できるようにする必要があります。
細胞加工事業では、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」における再生医療の健全な普及に向け、特定細胞加工物製造受託および再生医療等法規対応サポートを行っています。
【手取金の使途】
手取概算額1,428,880千円及び第三者割当増資の手取概算額上限215,832千円を合わせた手取概算額合計上限1,644,712千円については、全額を設備投資資金として、①倉庫及び休憩更衣室施設の建替え、②基幹システムの刷新及び製造管理システムの新規導入、③粉末培地製造のための設備投資に充当する予定であります。
残額につきましては、将来における当社の成長に資するための設備投資の支出に充当する方針でありますが、当該内容について現時点で具体化している事項はなく、具体的な資金需要が発生し支払時期が決定するまでは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。充当時期は未定であります。
(コージンバイオのIPO目論見書より一部抜粋)
コージンバイオ(177A)のIPO初値予想主観及びIPO参加スタンス
コージンバイオ(177A)の市場からの吸収金額はIPO想定価格1,840円としてオーバーアロットメント含め17.9億円と規模的に東証グロース市場への上場としては小型~中型サイズとなりますが、荷もたれ感を感じるほどの水準ではありません。IPO株数は売り出し株無しの公募株のみで8,500枚と多くはありません。
上述の通りコージンバイオ(177A)の事業内容は培地(微生物や細胞の培養に用いる生育環境のこと)の開発・製造・販売及び細胞加工物の製造受託ということで、アカデミアや企業などの研究機関に細胞培養用培地を提供する「組織培養事業」、様々な細菌検査用に培地や検査キットを提供する「微生物事業」、自由診療向けに免疫細胞や幹細胞を受託培養する「細胞加工事業」の3つを柱に事業を行っています。下記の公式動画で非常にわかりやすく説明されていました。
※上記動画再生時は音が出ますので音量にご注意下さい。
コージンバイオ(177A)の株主の中にはベンチャーキャピタルの保有株が2社200,000株ありますが、今回のIPO(新規上場)に際する売り出しでの放出はありません。2社ともに90日間のロックアップが掛かっていますが、公開価格の1.5倍となれば解除され売却可能となります。
個人的にバイオ系IPOと聞くとつい警戒しながら見てしまうクセが付いていますが、動物実験にさえたどり着いていない黒転したてのバイオベンチャーで事前評価の低かった今年(2024年)2月8日(木)上場のVeritas In Silico(130A)は公開規模9.2億円(国内:6.0億円)の小型サイズだったことや相場好調なども相まって、初値は公募価格の2倍と好スタートとなった上にストップ高まで高騰となったのはまだ記憶に新しいかと思います。
今回のコージンバイオ(177A)は細胞培養用培地などを自社開発していながらも業績は増収増益で長らく黒字運営となっており、募集株の内訳も売り出し株無しの公募株のみで既存株主の換金色はなく、公開規模もIPO想定価格(1,840円)ベースで17.9億円と荷もたれ感を感じるほどのサイズでもありません。
例年5月はIPO空白期間となる傾向があり、仮にこのコージンバイオ(177A)が4月のラスト案件となれば、後のIPOまで1カ月程度のIPO空白期間となる可能性が高く、スケジュール面での優位性も出て来ます。IPO地合いが悪化していない限り、警戒されやすいバイオ系IPOとはいえ、初値は好スタートとなりそうな雰囲気です。ひとまずの初値評価はB級評価といったところで問題ないでしょうか。
よってとりあえず現時点での管理人の個人的なこのコージンバイオ(177A)のIPO参加スタンスは参加の方向で行く予定です。IPO主幹事は営業力に定評のある野村證券となることから株価の安心感はあるものの、IPO当選の門は狭いでしょうね。
コージンバイオ(177A)のIPO(新規上場)業績等
コージンバイオ(177A)のIPO経営指標
コージンバイオ(177A)のIPO売上高及び経常利益
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