さくらさくプラス（7097）のIPO（新規上場）は出来レース！？

さくらさくプラス（7097）からIPO（新規上場）中止の発表が昨日（4月16日）ありました。これで今年（2020年）の上場中止発表社数は前代未聞の18社目となり、同時に今後のIPOは無くなってしまいました。初値どうのこうのは別としてこのさくらさくプラス（7097）は4月最後の砦だっただけに中止（延期）発表は正直残念です。

これまでこのこのさくらさくプラス（7097）には他の企業と違い簡単に上場中止（延期）を発表しなかったことに感銘を受けていましたが、結果的には上場を中止（延期）した他の企業と大差はありませんでした。逆にここ（公募価格決定日）に来て中止（延期）の発表は他社よりもタチが悪いかもしれません。

IPO愛好家の方ならご存知の方も多いと思いますが、今のIPO市場には数週間前と比べると格段に資金が戻ってきている状況です。コロナショック以降のIPOの中で公募割れスタートとなったものも、今となっては公募価格を超えて推移しているIPO銘柄も多く見掛けるようになりました。東証マザーズ指数も3月13日（金）に付けた最安値527.30ポイントから昨日4月16日（木）は730.88ポイントまで回復しています。

IPO地合い含め新興市場回復ムードの中でのこのさくらさくプラス（7097）の上場中止（延期）は個人的に意外感と言うか違和感を感じてしまいます。

さくらさくプラス（7097）のIPO仮条件決定日は予定通り4月8日（水）に発表されました。IPO株数は988,800株から682,200株までおよそ31%削減させ、仮条件価格も想定価格の2,060円から1,150円～1,430円までのおよそ30%～44%のディスカウントを行い、上場規模を縮小させてまで上場続行の方向を匂わせました。

下記に東証マザーズ指数の日足チャートをご用意したのでご覧下さい。赤丸で印を付けている箇所がIPO仮条件が発表された4月8日（水）でちょうどゴールデンクロスも発生しています。今は指数自体も騰がっていますし、出来高も増え、誰がどう見てもIPO仮条件決定日の環境の方が今より悪く見えます。

東証マザーズ指数日足・売買高チャート（2020年4月16日）

環境が悪くても上記のように規模を縮小させてまで上場続行を匂わせておきながら、公開価格決定日に上場中止（延期）の発表。さらに日程面でも不可解な点があります。

理由は上述の通り「改正特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の発令が当社グループの業績に与える影響は、現時点で軽微であると判断しているものの、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大等を受けた最近の株式市場の動向等諸般の事情を総合的に勘案」となっております。

緊急事態宣言の発令は4月7日（火）でしたが、あくまでも発令が4月7日（火）というだけのことで、数日前より発表するということは政府より言及されておりました。さくらさくプラス（7097）のIPO仮条件決定日は4月8日（水）で、取締役会が2020年3月18日、4月8日、4月9日、4月16日に開催されていることからIPO仮条件決定日時点で緊急事態宣言は織り込み済みと見て取れますし、業績に与える影響は軽微という中止文面から新型コロナウイルスの感染拡大による株式市場の動向が一番の要因と受け取れます。

そしてIPO新規上場承認発表日は3月18日（水）です。上記チャートを見て頂くとおわかりかと思いますが、ほぼ一番底の部分です。

株式市場がほぼ底の3月18日（水）にはIPO（新規上場）の発表を行い、まだ地合いが不安定な4月8日（水）にはIPO仮条件も決定し上場続行。それなのに回復ムードがチャートにも表れているにも関わらず昨日4月16日（木）は上場中止（延期）を決断。もちろん新型コロナウイルスの感染拡大による株式市場の動向は不透明ですが、3月18日（水）も4月8日（水）も不透明でしたよね。

アホな管理人にはこの流れがまったく理解できませんし、当初から上場する気があったのかどうか疑問でなりません。何かしら大人の事情で上場するという意思表示が必要だったのか。もしかするとIPO（新規上場）はただの出来レースだったのかなどと変な勘繰りをしてしまいます。

いずれにしても個人的に心象はよくありません。アフターコロナで再度IPO新規上場承認発表があったとしても二の足を踏んでしまうかもしれません。ただその頃にはもうこのような出来事を忘れいているかもしれませんが＾＾；