2020年3月IPO新規上場)は壊滅状態と言える状態で、管理人のIPO歴およそ14年の経験の中でも見たことのない悲惨な相場となりました。この悪相場を今後の教訓とし、備忘録として簡単にまとめてみました。

2020年3月は28社のIPO新規上場承認が発表されました。そのうち市況悪化で上場を中止(延期)した企業が4社となったため、実質IPO新規上場)までたどり着いたのは24社となります。上場中止延期4社だけならまだしも、IPO新規上場)にとって一番の問題は初値です。

おおむねどんな相場でも別腹と言われていたIPO新規上場)市場ですが、さすがに今回のコロナショックには勝てず、初値が公募価格を上回ったのは24社中わずか6社で同値が1社、公募割れに至ってはなんと17社と前代未聞の数字を叩き出してしまいました。

2020年3月IPO(新規上場)一覧表

上場日コード(上場市場)
IPO銘柄名
想定価格
仮条件
公募価格
初値価格
3/27085(東証一部)
カーブスホールディングス
720円
720-750円
750円
670円
3/47084(東証マザーズ)
Kids Smile Holdings
2,260円
2,160-2,260円
2,260円
2,732円
3/67086(東証マザーズ)
きずなホールディングス
2,200円
2,200-2,320円
2,320円
2,220円
3/67087(東証二部)
ウイルテック
1,280円
1,100-1,200円
1,200円
1,200円
3/97088(東証)
フォーラムエンジニアリング
1,310円
1,310-1,400円
1,310円
1,030円
3/104490(東証マザーズ)
ビザスク
2,100円
1,300-1,500円
1,500円
1,310円
3/114491(JASDAQ-S)
コンピューターマネージメント
2,630円
2,630-2,750円
2,750円
4,360円
3/136231(東証二部)
木村工機
2,340円
2,300-2,400円
2,400円
2,050円
3/137089(東証マザーズ)
フォースタートアップス
1,520円
1,700-1,770円
1,770円
1,628円
3/137090(東証マザーズ)
リグア
1,850円
1,850-1,950円
1,950円
1,910円
3/167687(東証マザーズ)
ミクリード
890円
790-890円
890円
818円
3/177688(JASDAQ-S)
ミアヘルサ
2,330円
2,030-2,330円
2,330円
1,748円
3/177091(東証マザーズ)
リビングプラットフォーム
3,340円
3,530-3,900円
3,900円
3,550円
3/175070(東証マザーズ)
ドラフト
1,520円
1,520-1,580円
1,580円
1,221円
3/18
上場中止
7092(東証マザーズ)
Fast Fitness Japan
2,470円
2,560-2,960円
2,960円
-円
3/194492(JASDAQ-S)
ゼネテック
1,700円
1,600-1,700円
1,700円
1,620円
3/199326(東証マザーズ)
関通
470円
470-490円
470円
1,032円
3/195368(東証二部)
日本インシュレーション
920円
920-940円
940円
869円
3/245690(東証二部)
リバーホールディングス
920円
920-960円
960円
720円
3/24
上場中止
4882(東証マザーズ)
ペルセウスプロテオミクス
960円
540-600円
-円
-円
3/255071(東証マザーズ)
ヴィス
820円
820-900円
820円
754円
3/267093(東証マザーズ)
アディッシュ
1,090円
1,110-1,230円
1,230円
2,101円
3/26
上場中止
4432(東証)
ウイングアーク1st
1,670円
-円
-円
-円
3/264493(東証マザーズ)
サイバーセキュリティクラウド
4,010円
4,240-4,500円
4,500円
9,210円
3/30
上場中止
4494(東証二部)
バリオセキュア
2,080円
1,600-1,700円
-円
-円
3/307094(東証マザーズ)
NexTone
1,880円
1,500-1,700円
1,700円
1,660円
3/301444(名証セントレックス)
ニッソウ
3,750円
3,400-3,750円
3,750円
2,800円
3/317095(東証マザーズ)
Macbee Planet
1,860円
1,830-1,990円
1,830円
2,348円

個人的にこの3月にIPO当選した銘柄はカーブスホールディングス(7085)、日本インシュレーション(5368)、リバーホールディングス(5690)、ヴィス(5071)、Macbee Planet(7095)の5社で、購入手続きまでした銘柄はカーブスホールディングス(7085)のみで他4社はすべて辞退致しました。

唯一購入したカーブスホールディングス(7085)は公募割れスタートで8,000円の実損、Macbee Planet(7095)については辞退したにも関わらず好発進で51,800円の機会損失となりました。残りはすべて辞退が正解で、計37,700円の損失を回避することができたものの、結局は8,000円のマイナスとなりました><

IPOセカンダリも唯一参戦したのは巣ごもり銘柄として自信のあった関通(9326)のみですが、現在の自身の他社保有銘柄の数百万円ある含み損に対しては焼け石に水の微々たる援護射撃です。

関通(9326)IPOセカンダリ2020.3.19

全体的に悪い意味で目立ったのはニッソウ(1444)ですね。地方(名証セントレックス)上場だったことから買いが入らず、それに加えてIPO主幹事となる岡三証券はシンジケートカバー取引も行わずのダブルパンチで一撃マイナス95,000円となったことが印象に強いです。シンジケートカバー取引は義務ではありませんが、通称「誠意」と呼ばれていることから「誠意」が無かったのは残念です。

幸いにもIPO当選された方はお見掛けしませんでしたが、IPO当選で一撃95,000円の損失は普通にサラバ取引で95,000円の損失を出したことよりも精神的ダメージが大きそうな感じがします。

逆に良い意味で目立ったのはSBI証券主幹事3兄弟、アディッシュ(7093)、サイバーセキュリティクラウド(4493)、Macbee Planet(7095)がいずれも好発進となったことです。しかもIPOチャレンジポイント使用時のIPO株配分数はいずれも300株配分と異例の配分方法となっていたことに驚かされてしまいました。今後のSBI証券主幹事案件は初値期待度が高く要注目ですね。

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今のところ4月も上場中止延期)が9社と3月よりもヒドい状態となっております。3月上場分はまだしも4月分上場分はお構いなしにアホみたいにバンバンとIPO新規上場承認発表していましたが、こうなるの予測できなかったのでしょうかね。今後まだ増える可能性も高く、まだまだ無条件でIPOに参加するのは厳しい環境です。色んな意味で一刻も早く収束の兆しが見えることを願っております。

そして最後にあまり大きな声では言えませんが、3月のIPO新規上場)の中で野村證券がIPO主幹事を引き受けたIPO銘柄5社はすべて公募割れしています。逆にSBI証券がIPO主幹事を引き受けたIPO銘柄3社は数こそ違うものの、すべて公募割れを回避しています。なぜでしょうかね。

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