雨風太陽(5616)がIPO(新規上場)承認発表されましたので、事業内容や考察および初値予想などに関する詳細をご紹介させて頂きます。昨日(11月13日)はIPO新規上場承認発表が1社ありました。何かしらもう少し変化球でもあるかと思いましたが「雨風太陽」と書いてそのまま「あめかぜたいよう」と読むようです。
雨風太陽(5616)の上場日は2023年12月18日(月)で、今のところは単独上場、上場市場はIPO市場では人気の高い東証グロース市場への上場で、IPO主幹事もIPO愛好家人気の高いSMBC日興証券となっております。
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雨風太陽(5616)のIPO(新規上場)情報
設立:2015年2月10日
業種:情報・通信業
事業の内容:CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」運営、生産者の販路拡大等を目的とした自治体向け支援サービス、生産者のもとで学ぶ地方留学プログラムの提供等
上場市場 | 東証グロース |
コード | 5616 |
名称 | 雨風太陽(あめかぜたいよう) |
公募株数 | 446,300株 |
売出し株数 | 90,000株 |
オーバーアロットメント | 62,500株 |
IPO主幹事証券 | SMBC日興証券 |
IPO引受幹事証券 | SBI証券 マネックス証券(100%完全抽選) 岡三証券 丸三証券 東洋証券 岡三オンライン(委託幹事決定) |
IPO発表日 | 11月13日(月) |
上場日 | 12月18日(月) |
仮条件決定日 | 11月30日(木) |
ブック・ビルディング期間 | 12月1日(金)~12月7日(木) |
公開価格決定日 | 12月8日(金) |
IPO申し込み期間 | 12月11日(月)~12月14日(木) |
上場時発行済株式総数 | 2,353,050株 |
時価総額 | 19.7億円 |
吸収金額 | 5.0億円 |
想定価格 | 840円(84,000円必要) |
そしてこの雨風太陽(5616)のIPO幹事団(シンジケート)の中には岡三証券が入っているため、グループ会社となる岡三オンラインがIPO委託幹事(裏幹事)に入る可能性が高いです。
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雨風太陽(5616)のIPO(新規上場)事業内容等
雨風太陽(5616)は移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指し、都市と地方の間に「関係人口」を生み出す、関係人口創出事業の単一セグメントで事業運営を行っています。
顔の見える生産者から直接食材を購入することのできるサービスとして、CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」を筆頭に、定期的に旬の食材が届く「サブスクリプションサービス」、食材付き情報誌「食べる通信」、ふるさと納税プラットフォーム「ポケマルふるさと納税」を提供しており、これらのサービスで築いた基盤を活用して「企業・自治体向けサービス」や都市と地方の間の人流を生み出す「ポケマルおやこ地方留学」などを展開しています。
全国の農家・漁師から、直接やりとりをしながら旬の食べ物を買うことができるプラットフォームとして、2016年9月よりサービスを提供しています。
全国各地の生産者とのネットワークを利用して、さまざまなテーマを設定し、基本的には毎月食材が届くサブスクリプション型のサービスを展開しています。
生産者を綿密に取材し、食べ物を作っている人のストーリーと、その人が生産した食材が一緒に届く食材付き情報誌「食べる通信」を発刊しています。
契約自治体の域内で生産されたポケマル出品物の「全生産者の全商品」が自動的に返礼品となり、ポケマルでのいつもの買い物がふるさと納税になるサービス(特許出願中)です。
・自治体支援サービス
中央省庁や地方自治体が持つ一次産業振興予算を用い、生産者や消費者を抱えているポケットマルシェ上で、特定商品の送料無料施策や地域プロモーション等を実施しています。
・法人向け食材販売
調理家電と食材をセットにして販売、企業の顧客向けプレゼントキャンペーンや福利厚生サービス、飲食店に食材を提供するなど、他企業との連携にて一定量の食材をまとめて販売することで、食材費や企画費として収益を得ております。
全国に広がる生産者ネットワークを活用し、農業体験や漁業体験を中心とした自然体験を提供し、日本のあらゆる地方を観光資源化するサービスです。
※上記動画再生時は音が出ますので音量にご注意下さい。
【手取金の使途】
手取概算額336,900千円に本第三者割当増資の手取概算額上限48,130千円を合わせた、手取概算額合計上限385,030千円については、今後も継続して事業が成長するための投資として①外部連携システムに係る構築費用として5,600千円(2024年12月期:82,800千円、2025年12月期:82,800千円)、②CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」に係る広告宣伝費として156,000千円(2024年12月期:78,000千円、2025年12月期:78,000千円)、③営業支援システム利用費用として19,200千円(2024年12月期:9,600千円、2025年12月期:9,600千円)、④東京オフィス移転費用として2024年12月期に44,230千円に充当する予定であります。
また、上記調達資金は、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。
(雨風太陽のIPO目論見書より一部抜粋)
雨風太陽(5616)のIPO初値予想主観及びIPO参加スタンス
雨風太陽(5616)の市場からの吸収金額はIPO想定価格840円としてオーバーアロットメント含め5.0億円と規模的に東証グロース市場への上場としては小型サイズとなり、荷もたれ感はありません。IPO株数は公募株及び売り出し株合わせて5,363枚と少なめです。
上述の通り雨風太陽(5616)の事業内容はCtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」運営、生産者の販路拡大等を目的とした自治体向け支援サービス、生産者のもとで学ぶ地方留学プログラムの提供等ということで、全国の農家・漁師から、直接やりとりをしながら旬の食べ物を買うことができ、生産者と消費者が直接コミュニケーションできるECプラットフォーム「ポケットマルシェ」の運営を主事業として展開しています。
2023年9月時点で登録されている生産者は7,900人以上、北は稚内から南は西表島まで全国1,505の自治体に分布し、日本の全1,765自治体の85.3%に該当しています。このECプラットフォーム「ポケットマルシェ(ポケマル)」は生産者と消費者が個人として直接繋がることができる日本初のスマホ完結産直プラットフォームとなります。
雨風太陽(5616)の株主の中にはベンチャーキャピタル(投資ファンド)の保有株が8社535,250株ありますが、今回のIPO(新規上場)に際する売り出しでの放出はありません。90日間のロックアップが掛かっていますが、公開価格の1.5倍となれば解除され売却可能となります。株主の中には東証プライム市場上場のメルカリ(4385)の名前もありましたが、今回のIPO(新規上場)に際する売り出しで全株(75,000株)売却するようです。
募集株式446,300株のうちの一部を取引関係の維持・発展のため指定販売先2社(KOBASHI HOLDINGS株式会社及び株式会社リバネス)にそれぞれ取得金額0.5億円に相当する株式数(合計1.0億円相当)を上限として売付け(親引け)する予定となっています。
雨風太陽(5616)は元岩手県議会議員で現代表取締役の高橋博之氏が政界引退後2013年にNPO法人(東北開墾)として発足された企業で、2015年に株式会社KAKAXI、2016年に株式会社ポケットマルシェへと社名変更を繰り返し、今の株式会社雨風太陽に至っています。高橋博之氏はテレビ東京系列の「カンブリア宮殿」に出演したり、書籍も複数出版しているので、ご存じの方も多いかもしれませんね。
セクターは情報・通信業で事業内容も日本初の産直アプリ運営とユニークな内容で公開規模もIPO想定価格(840円)ベースで5.0億円、さらに1.0億円相当の親引けを差し引くと4.0億円程度まで縮小され軽量感があり、需給面の不安はありません。ただし業績面は売上は右肩上がりで伸びているものの収益は着いて来れず赤字状態で、黒字化の目途も立っていない状況です。
赤字上場が許容されにくいIPO情勢ではありますが、事業成長への期待値が高いユニークなIPO案件という目線で見るとそれなりに買いは入りやすく、直近のベンチャーキャピタル(投資ファンド)含め既存株主の取得単価も多くはIPO想定価格(840円)よりも高い位置(1,120円~3,060円)での取得となっているため、既存株主の握力も強そうです。日本初のスマホ完結産直プラットフォームに日本初のNPO法人からのIPO(新規上場)案件と、初づくしもIPO的に響きは良さそうですね。
IPO地合いはいまだに不透明ではありますが、赤字上場という点を差し引いてもこの内容と規模であれば需給ひっ迫となる可能性もあるため、ひとまずの初値評価はA級評価にさせて頂きたいと思います。よって現時点での管理人の個人的なこの雨風太陽(5616)のIPO参加スタンスは積極参加で行く予定で考えています。
雨風太陽(5616)のIPO(新規上場)業績等
雨風太陽(5616)のIPO経営指標
雨風太陽(5616)のIPO売上高
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