NISAで利益が出ると、「今のうちに売るべきか」「まだ持っていたほうがよいのか」で迷います。
利益が出たという理由だけで売る必要はありません。売却の基準は、利益率よりも、そのお金を使う目的と時期、資産配分、購入した理由が変わったかです。

NISAの商品はいつでも売却できる
NISA口座で保有する株式や投資信託は、非課税保有期間中でも売却できます。売却益はNISAの対象範囲内で非課税です。
2024年からのNISAでは非課税保有期間が無期限になりました。「非課税期間が終わるから今年中に売る」という旧制度のような期限はありません。
売却を考える主なタイミング
お金を使う時期が近づいた
老後の生活費、住宅修繕、教育費など、目的としていた支出が近づいたら売却を検討します。必要な時期の直前まで全額を値動きの大きい商品で持つと、下落時に資金が不足する可能性があります。
資産配分が偏りすぎた
値上がりによって、株式や一つの国・業種の比率が想定以上に高くなることがあります。資産全体を確認し、必要なら一部を売って配分を戻します。
購入した理由が変わった
個別株では業績や事業環境が変化し、購入時に期待した前提が崩れる場合があります。投資信託でも、運用方針の変更や繰上償還など重要な変化があれば確認が必要です。
値動きに耐えられない金額になった
資産が増えた結果、1日の値動きだけで大きな金額が増減することがあります。生活に影響するほど不安なら、一部を売却してリスクを下げる方法があります。
利益率だけで売却を決めない
「10%上がったら売る」「2倍になったら売る」という基準は分かりやすいものの、資産形成の目的と結び付いていなければ、その後に何をするかで再び迷います。
売却後に同じ商品を買い直すだけなら、年間投資枠を余分に使うことがあります。相場の上げ下げを予想して売買を繰り返すと、長期運用から離れてしまう点にも注意が必要です。
一度に全部売らなくてもよい
必要な金額だけを一部売却する方法があります。退職後の生活費なら、数カ月分や1年分など、使う予定に合わせて段階的に取り崩せます。
売却時期を分ければ、一度の価格ですべてを売ることを避けられます。ただし、分ければ必ず高く売れるわけではありません。
売却した非課税枠は翌年以降に再利用できる
NISAの商品を売却すると、その商品の取得金額分だけ非課税保有限度額が翌年以降に再利用できます。売却金額や利益の分が戻るのではありません。
100万円で購入した商品を150万円で売却した場合、再利用できる総枠は100万円分です。また、その年に使った年間投資枠が同じ年に復活することはありません。
売却前のチェック項目
- 何のために売却するのか
- いつ、いくら必要なのか
- 全部ではなく一部売却で足りるか
- 売却後の資金をどうするか
- 購入理由や商品の運用方針は変わったか
- 売却後の非課税枠の扱いを理解しているか
まとめ
NISAで利益が出ても、利益率だけで売る必要はありません。お金を使う時期、資産配分、購入理由の変化を基準に判断します。
必要な分だけ段階的に売る方法もあります。50代以降の取り崩しを考える方は50代からNISAを始める注意点、下落時の対応はNISAで含み損になったときの考え方をご覧ください。
