カバー（5253）IPO上場承認発表と初値予想！VTuber事務所の運営及びライブ配信サービス開発！

カバー（5253）がIPO（新規上場）承認発表されましたので、事業内容や考察および初値予想などに関する詳細をご紹介させて頂きます。昨日（2月17日）IPO新規上場承認発表が2社あったうちのもう1社で、かねてより上場観測のあった企業です。

当記事はカバー（5253）のIPO詳細記事となりますが、もう1社のアイビス（9343）についてはすでに下記記事にてご紹介させて頂いておりますので、ご参考にして頂けますと幸いです。

カバー（5253）の上場日は2023年3月27日（月）で、今のところは単独上場、上場市場はIPO市場では人気の高い東証グロース市場への上場で、IPO主幹事はみずほ証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の2社共同主幹事となっております。3月24日（金）がまだ空席ですが、週明けのIPO新規上場承認発表で埋まるでしょうか。

カバー（5253）のIPO（新規上場）情報

設立：2016年6月13日
業種：情報・通信業
事業の内容：VTuberのキャラクターIP開発及びVTuberプロダクション「hololive production」の運営事業

売出株式10,927,400株のうちの一部は欧州及びアジアを中心とする海外市場（米国及びカナダ除く）の海外投資家にも販売される予定（半数未満）となっており、国内販売株数及び海外販売株数の最終的な内訳は本募集及び引受人の買取引受による売出しの需要状況等を勘案した上で、売出価格決定日3月15日（水）に決定されます。

そしてこのカバー（5253）の2社共同主幹事の1社は三菱UFJモルガン・スタンレー証券となっていることから、グループ会社となるauカブコム証券、平幹事の中には大和証券が入っていることから、グループ会社となる大和コネクト証券がそれぞれIPO委託幹事（裏幹事）となる可能性が高いです。

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カバー（5253）のIPO（新規上場）事業内容等

カバー（5253）はモーション・キャプチャー技術とアニメルック・アバターを用いてYouTube等の動画配信プラットフォームを中心に活動するバーチャル・エンターテイナー「VTuber」のキャラクターIP開発、及びVTuberプロダクション「hololive production（ホロライブプロダクション）」の運営を行っています。

事業分野別では「①配信/コンテンツサービス」と「②ライブ/イベントサービス」を通じて、ホロライブ等のグループ及び所属VTuberそれぞれの認知度の向上、ファンの獲得及びコミュニティの熱量上昇を図っており、その結果として醸成されたグループや個々のVTuber IPのブランドを基盤として「③マーチャンダイジングサービス」と「④ライセンス/タイアップサービス」を展開しています。

※上記動画再生時は音が出ますので音量にご注意下さい。

【手取金の使途】
手取概算額955,125千円については、新スタジオに設置する配信用機材の設備資金（750,000千円を2024年3月期）及びIP（Intellectual Property：知的財産）のコマース展開促進のための運転資金に充当する予定であります。
なお、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用する方針であります。
（カバーのIPO目論見書より一部抜粋）

カバー（5253）のIPO初値予想主観及びIPO参加スタンス

カバー（5253）の市場からの吸収金額はIPO想定価格710円としてオーバーアロットメント含め101.4億円と規模的に東証グロース市場への上場としては大型サイズとなり、荷もたれ感を感じるサイズとなります。IPO株数は公募株及び売り出し株合わせて124,274枚と多めにありますが、海外投資家への販売もあります。

上述の通りカバー（5253）の事業内容はVTuberのキャラクターIP開発及びVTuberプロダクション「hololive production」の運営事業ということで、VR・ARライブ配信システム開発、VTuber事務所（ホロライブプロダクション）の運営、コンテンツ開発といった二次元エンターテインメントを加速させるための多面的な事業を展開しています。

カバー（5253）のVTuberはYouTubeにおけるチャンネル（ch）登録数ランキングにおいて、VTuber業界のグローバルトップ10をほぼ独占しており、合計約3,500万人のファンを有するVTuber事務所「ホロライブプロダクション」は大きなファンベースを有するブランドを構成しています。

カバー（5253）の株主の中にはベンチャーキャピタル（投資ファンド）の保有株が14社25,934,200株あり、今回のIPO（新規上場）に際する売り出しで9,076,700株（各社35%分）放出するものの、まだ16,857,500株が残ります。

ただベンチャーキャピタル（投資ファンド）保有分のすべての株式には180日間のロックアップが掛かっており、公開価格の1.5倍となれば解除されるものの、初値形成後でないと売却できないタイプのロックアップ条項となっているため、需給を大きく壊すことは無さそうです。

冒頭の通りこのカバー（5253）はかねてより上場観測のあった企業で、VTuber関連として期待値は高かったと思われます。管理人自身も今年（2023年）の目玉的なIPO案件になるのではないかと期待していましたが、時価総額は別として公開規模がここまで大きいとは思っていませんでした。

過去のVTuber関連IPOと言えば昨年（2022年）6月にIPO（新規上場）したANYCOLOR（5032）がまだ記憶に新しいでしょうか。ANYCOLOR（5032）は初モノ効果に加えて売り出し株数を増加させたことによる呼び水効果も加わり、初値はおよそ3.1倍にまで高騰しました。

ちなみにこのANYCOLOR（5032）は公募価格1,530円に対して付いた初値は4,810円、初値形成は2日目で初値形成時の売買代金は50.2億円と超人気化しました。上場後も株価は上昇し続け、10月27日には最高値13,790円を付けています。現在は4,775円（2月17日終値）まで下落しているものの、上場後公募価格は一度も割り込んでいません。

ただしこのANYCOLOR（5032）の公開規模は27.5億円（国内25.0億円）と、今回のカバー（5253）の公開規模101.4億円（IPO想定価格ベース）の1/3程度の規模でした。カバー（5253）も海外投資家への販売があり、海外投資家への配分割合次第では公開規模が縮小されることになりますが、満額（半数）減ったとしても62.6億円（IPO想定価格ベース）と、まだ荷もたれ感のあるレベルです。

もうこの規模になると個人投資家だけで持ち上げることは難しく、大口（機関投資家、海外投資家）の参戦が必須となります。公開規模が大きいもののANYCOLOR（5032）効果を考慮すると初値評価はC級評価あたりが無難なところでしょうか。

ひとまず現時点の管理人の個人的なこのカバー（5253）のIPO参加スタンスは参加の方向になるとは思いますが、まずは今後の仮条件設定や海外配分割合、そして大手初値予想会社の見解などを見てから本格的に検討したいと思います。

カバー（5253）のIPO（新規上場）業績等

カバー（5253）のIPO経営指標

カバー（5253）のIPO売上高及び経常損益